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上質な革を生み出す世界のタンナー

世界各国でそれぞれに発展したタンナー(革加工技術者)。
各国の特色とは。

日本のタンナー

大和朝廷時代に朝鮮から輸入された鞣し技術は、日本の風土に合うように独自の進化を遂げ、現在に至る。
牛革や馬革、豚革などが盛んで、そのクオリティの高さは世界的にも有名。

業界大手の、ニッピのクロム鞣しや、国内のディアスキンの需要のほとんどを手がける藤岡勇吉本店、上質のコードバンを鞣すタンナー、伝統的なピット鞣しを行うタンナー、など。
その種類もさまざまで、非常に探究心の高いタンナーが多いのが特徴だ。

※ピット鞣し
植物タンニンの槽に漬け込んで時間を掛けて鞣す方法。

フランスのタンナー

モード界のメゾンブランドが集まる国だけあり、非常にエレガントなレザーが好まれる。

なかでも生後3~6ヶ月の子牛にクロム鞣しを施したボックスカーフが有名。
これはクロムの槽に革を浸けるピット鞣しの一種だが、浸ける時間が短いため、適度な硬さと軽さを併せ持つ。

本来はドイツのタンナー、カール・フロイデンベルク社の得意技だったが、同社が皮革産業から撤退したこともあり、現在はフランスのタンナーがその手法を継承している。

1948年創業のデュプイ社や同社から独立したアノネイ社といったタンナーが、この手法を得意としている。

アメリカのタンナー

牛革や馬革の原皮供給国の大手でもあるアメリカ。
ヨーロッパからの移民も多く、皮革技術も各国から伝播されている。そのため、国のあちこちに大小のタンナーが存在する。

その中でも一際目立つのがホーウィン。
さまざまな鞣し技術をもつロシア系移民のタンナーで、彼らの作るコードバンは堅牢でありながら柔らかいのが特徴だ。

コードバンはかつてヨーロッパで生産されることが多かったが、70年代頃になると、ほとんどのタンナーが作らなくなってしまった。
潰えてしまったコードバンの伝統的技術を継承し、復活させたのがホーウィン社である。

イギリスのタンナー

伝統的な技法を頑なに踏襲し続けることで知られるイギリスのレザーは、鞍をはじめとする馬具などに用いることから広がり、堅牢さが要求される革を得意とするタンナーが多い。
そのため、じっくりと使い込むことではじめてよさを発揮する、という特徴をもつ。

英国のロイヤルワラント(英国王室御用達)を授与した、コノリー社のコノリーレザーや、ブライドルレザーなどが代表的だ。

※コノリーレザー
門外不出の、同社秘伝の鞣し方法によって仕上げたカーフ。

※ブライドルレザー
本来、馬の鞍に使用するために作られた堅牢な革。
製造過程でロウを染み込ませるので、新品時には白くロウが浮き出ている。