革鞄.jp トップ > 【革鞄の素材を知る】深い味わいのある革が人気
深い味わいのある革が人気
革は、長年使い込んでも色や風合いに変化のない、無機質でプラスチックのようなものが良い、という価値観が90年代中頃までの日本では一般的だった。
それが近年、天然素材である革本来の味わいや個性を楽しむ、という傾向へシフトしつつある。
それは最近のレザーアイテムの、加工の手法や色付けにも顕著に現れている。
人気の革加工技術
イントレチャート
メンズ、レディースを問わず、ファッション誌などの見出しにも大きく取りざたされるイントレチャート。
ボッテガヴェネタの爆発的な人気を皮切りに、近年、ラグジュアリーブランドのレザーアイテムに多く見られる技法のひとつで、イタリア語で「手編み込み」を指す。
ラムスキンなどの柔らかなレザーをテープ状に裁断し、それを手作業で職人がメッシュ状に編みこんでいく、イタリアの伝統工芸。籐の籠などと作り方は同じだが、素材は柔らかなレザーであるためにテンションの掛けかたなど、微妙なサジ加減が必要とされ、その工程には必然的に手間と時間が掛かる。
ラグジュアリーで繊細な表情はもちろん、手のひらに触れたときの、一枚革にはない柔らかな質感が高い人気を呼んでいる。
パンチングレザー
かつては、パンチングレザーと呼ばれ、バイクの夏用グローブなど、通気性が高いという機能性を重視した商品展開であった。
しかし最近では、やはりラグジュアリーブランドのウォレットやバッグなどのレザーアイテムに多く用いられている。
見た目のインパクトの大きさと、パンチングによる軽量な素材感。
見えそうで見えない、というシースルーな感覚がセクシーな印象を抱かせる。
艶っぽさと男らしさを求める男性に人気の注目技法のひとつである。
ウォッシュドレザー
革ジャンを洗う、という人は意外に多い。
新品の革ジャンも、洗うことで着古したような独特の風合いを出すことができるからだ。
ところが、その風合いを出すために「洗う」という工程を製造ラインの中で実現することは難しかった。
製品加工するとなると、天然素材がもつ個体差がハッキリと出てしまい、サイズのバラつきは必至。
おのずとB品率が高くなり生産性の低下を招いてしまう。
ところが近年の技術革新によりこの点が解決され、ウォッシュドレザーの製品が登場している。
綿密な縮率計算で、個体差によるサイジングのバラつきを抑え、ウォッシュ後のオイル投入などを施すことで、品質を保ちながら風合いのある表情を引き出すことができるようになった。
リサイクルレザー、ノンクロムレザー
革を鞣すタンナーが直面している問題のひとつに、地球環境への対策がある。
革を鞣す際、クロムやホルマリンなど毒性の高い廃液が出るため、廃液ろ過をはじめとする環境保全対策に取り組んでいる。
また、クロム鞣しの革は簡単に焼却できず、生産過程で不要になった廃材の処理も問題だ。
こうした浄化システムに資金を投入できないタンナーは、現実的に廃業を余儀なくされている。
そこで、廃材となる革チップを細かく刻み、特殊な溶剤で固めたリサイクルレザーや、クロムを使用しないノンクロムレザーなど、環境に配慮した革素材の開発が進んでいる。